ニューヨークのウォール街=ロイター

【NQNニューヨーク=稲場三奈】2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸して始まり、午前9時35分現在は前日比170ドル25セント高の3万8073ドル54セントで推移している。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が前日の記者会見で再利上げに否定的な見方を示したことが引き続き、買い安心感につながっている。

FRBは1日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決めた。パウエル議長は記者会見で「次の政策金利の変更が利上げになる可能性は低い」と述べ、市場の一部にあった再利上げの観測が後退。投資家が運用リスクを取りやすくなっている。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、クアルコムが上昇している。前日夕発表の2024年1〜3月期決算で業績が市場予想を上回った。人工知能(AI)機能を搭載した携帯電話向けが好調で、4〜6月期の業績見通しが市場予想以上だったのも好感された。ほかの半導体銘柄にも買いが波及し、投資家心理の改善につながっている面がある。

買いが一巡した後、ダウ平均は伸び悩む場面がある。朝発表の週間の米新規失業保険申請件数は20万8000件と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(21万2000件)を下回った。1〜3月期の米労働生産性(速報値)では、企業の賃金負担を示す単位労働コストが前期比年率で4.7%上昇した。市場予想(4.0%上昇)を上回り、根強い賃金インフレへの警戒は上値を抑えている。

ダウ平均の構成銘柄では、アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトといったハイテク株が高い。ナイキやシェブロン、キャタピラーも上げている。一方、スリーエムやジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、IBMは売られている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発して始まった。

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