港に積み上げられたコンテナ(2月、中国天津市)=新華社・共同

中国税関総署が12日発表した2024年1〜3月の貿易統計によると、ドル建ての輸出は8075億ドル(約123兆円)で前年同期を1.5%上回った。四半期ベースで伸び率は1年半ぶりのプラスに転じた。自動車の出荷が堅調で全体を押し上げた。3月単月は前年同月比7.5%減った。

1〜3月の輸入は前年同期比1.5%増の6238億ドルとなった。輸出から輸入を差し引いた貿易黒字は1836億ドルだった。輸出の増加額が輸入のそれを上回ったため、貿易黒字は前年同期より拡大した。

主要品目の輸出動向をみると、電気自動車(EV)を含む自動車が2割伸びた。パソコン及び部品も4.8%増えた。生産体制が労働集約的な衣類や玩具も前年同期を上回った。

地域別では最大の輸出先である東南アジア諸国連合(ASEAN)向けが4.1%増えた。前年同期を上回るのは23年1〜3月以来となる。対照的に欧州連合(EU)や米国、日本向けは落ち込んだ。

3月単月の輸出は前年同月を7.5%下回った。23年10月以来の減少に転じたのは、前年同月からの反動が大きい。23年3月は「ゼロコロナ」政策の終了で生産が回復し輸出は1割超伸びた。

衣類や玩具、家具が振るわなかった。一方、自動車は3月単月でも伸びが2割を超えた。パソコンや携帯電話も堅調だった。

中国は内需不足が解消せず、海外需要が経済成長を支える。外需の持ち直しが続くかどうかが成長率にも影響する。

中国国家統計局がまとめた製造業購買担当者景気指数(PMI)統計のうち、海外からの新規受注を示す3月の指数は51.3だった。好調・不調の境目である50を上回るのは23年3月以来となる。

同指数は3〜6カ月先の輸出を占うとされる。4月以降も50の節目を上回るなら、中国の輸出が底堅さを増す可能性がある。

3月単月の輸入は前年同月を1.9%下回った。主要品目の集積回路や自動車部品は増えたが、消費動向を映す化粧品類は2割減となった。

足元で個人消費は弱含んでいる。3月の消費者物価指数(CPI)によると耐久財は値下がりした。自動車やバイクは4.6%、スマートフォンなどの通信機器は2.4%下落した。

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