【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(11月20日の動き)
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“ウクライナ 英が供与のミサイルでロシア攻撃” 欧米メディア
アメリカのメディア「ブルームバーグ」は20日、欧米当局者の話として、ウクライナ軍がイギリスから供与された「ストームシャドー」を使って初めてロシア領を攻撃したと伝えました。
当局者は、ロシアがウクライナ軍との戦闘に北朝鮮から派遣された部隊を投入したことへの対応だとしています。
また、イギリスの新聞「テレグラフ」は、ウクライナ軍が越境攻撃を続けるロシア西部クルスク州の村で「ストームシャドー」の破片が見つかったと伝えています。
クルスク州の知事はSNSに「20日午後、ウクライナ軍のミサイル2発を迎撃した」と投稿しましたが、ミサイルの種類には言及していません。
「ストームシャドー」は射程が250キロ以上ある巡航ミサイルで、アメリカによる航行情報の提供が必要なため、イギリスはロシア領内への使用についてバイデン政権の承認を求めていたとされています。
イギリスのヒーリー国防相は20日、議会で詳細については説明できないとしながらも「ウクライナ軍の戦場での行動がすべてを物語っている」と述べました。
射程の長いミサイルをめぐっては、ロシア国防省が19日、西部ブリャンスク州にアメリカ製のATACMSによる攻撃があったと発表したばかりです。
ロシアのラブロフ外相は「プーチン大統領は、射程の長いミサイルの使用が承認されれば、われわれの立場がどう変化するかについても警告した」とけん制していて、ロシア側は欧米への対決姿勢を一層強める構えです。
専門家 “ウクライナには大きな利点も 戦況は大きく変わらず”
イギリスのシンクタンク、チャタムハウス=王立国際問題研究所でロシアを専門に研究するキア・ジャイルズ氏は、ウクライナに供与されたストームシャドーの使用制限が撤廃されたとみられることについて「ウクライナ軍が、ロシア軍の前線のはるか後方にある補給施設や空軍基地を攻撃できるようになる。そうした施設は数百あるとみられている」と述べ、ウクライナの発電所などへの攻撃に利用されているロシア軍の基地を標的にできると指摘しました。
さらに、ロシア軍は物資や戦闘機のさらなる後退を余儀なくされるとした上で「ロシアはウクライナへの攻撃にこれまでより多くの時間とエネルギーが必要になる一方、ウクライナにとっては準備する時間が長くなり、大きな利点となる」と分析しました。
その一方で、戦況への影響については「特定の兵器システムが『ゲームチェンジャー』になるという見方は賢明ではない。ウクライナには膨大な種類の兵器が供与されていて、どれか1つによって戦況全体が大きく変わることはない。必要なのは継続的かつ総合的な支援だ」と述べ、欧米による支援強化のきっかけにするべきだと強調しました。
また、射程の長い兵器の使用制限の撤廃をめぐり、ロシアのプーチン大統領がこれまで核兵器の使用に言及しながら欧米を繰り返しけん制してきたことについては「ストームシャドーはすでにクリミアへの攻撃に使われているため、プーチン大統領の警告はあまり筋が通っていない」と述べ、緊張が直ちに高まる可能性は低いとの見方を示しました。
一方で「欧米各国はロシアが緊張を高めようとしている兆しとしてロシアによる核実験を懸念している。プーチン大統領は、みずからの言動がアメリカの政策に効果的に影響を及ぼし、制約することを理解している」と述べ、プーチン大統領による核の脅しは続くとの見通しを示しました。
キーウのアメリカ大使館 通常業務に戻る見通し
ウクライナの首都キーウにあるアメリカ大使館は、20日に大規模な空爆が行われる可能性があるとして注意を呼びかけ、万が一に備えて閉館していました。
これについてアメリカ国務省のミラー報道官は20日、記者会見で、キーウのアメリカ大使館は21日には通常業務に戻るという見通しを明らかにしました。
ただ、ミラー報道官は「キーウできょうは目立った攻撃は起きていないが、ここ数日、信じられないような悲劇的な攻撃を受けているので、さらなる攻撃の脅威は常にある」と述べ、警戒態勢を続ける考えを示しました。
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