【ロンドン=日高大】英統計局が20日発表した10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で2.3%上昇した。伸び率は前月から0.6ポイント上昇し、英イングランド銀行(BOE)が物価目標とする2%を上回った。CPIの伸び率が2%を上回るのは2カ月ぶり。電気やガスの価格が上昇し、全体の伸び率を押し上げた。

ロンドン証券取引所を運営する英LSEGが集計した市場予想の上昇率2.2%を上回った。エネルギーや食品などを除くコア指数は前年同月比で3.3%上昇し、伸び率は前月から0.1ポイント上昇した。サービス価格は5%上昇し、伸び率は前月から0.1ポイント上がった。モノの価格は0.3%下落したものの、伸び率は前月から1.1%上昇している。

9月は3年5カ月ぶりにCPIの上昇率が2%を下回ったものの、10月は再び上回った。インフレが長引く懸念があり、BOEの利下げペースが焦点になりそうだ。

BOEは12月に政策金利の発表を予定している。11月の金融政策委員会では2会合ぶりの利下げに動いた。スターマー政権が発表した予算案がインフレ圧力を高めるとの見方もあり、BOEは足元でインフレ率予想を引き上げている。市場ではBOEが次回会合で政策金利を据え置くとの見方が大勢だ。

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