英ロンドンの地下鉄運営業務を受注した東京メトロ。海外の鉄道運営に関わるのは初めて= ロイター

東京地下鉄(東京メトロ)は20日、英ロンドンの地下鉄運営業務を受注したと発表した。同社と住友商事、英国の鉄道事業者の3社で設立した事業会社がロンドン市交通局から地下鉄エリザベス線の運営業務の受注内定通知を19日付(現地時間)で受け取った。東京メトロが海外の鉄道運営に関わるのは初めて。

設立した事業会社「GTS Rail Operations」は英国の鉄道事業者Go-Ahead Groupが65%、東京メトロと住友商事がそれぞれ17.5%ずつ出資している。東京メトロの出資金額や連結業績に与える影響は非公表としている。現行の運営事業者から移管を受け、2025年5月から鉄道運営の事業を始める。契約期間は最長9年半を見込む。

エリザベス線は故エリザベス女王の在位70周年を記念して22年5月に全区間が開通した。ロンドン西部のヒースロー空港とロンドン中心部を経て東部をつなぐ長さ117 キロの路線で41駅がある。英国内では最も乗客数が多い路線の一つ。23年には2億人以上が利用し、30年には年間利用者が2億5千万人超を見込む。

東京メトロは10月下旬に上場し、成長に向けて事業の多角化を進めている。海外鉄道事業ではベトナムなどで鉄道コンサルティング会社の設立などを進めているが、規模は小さい。英国での鉄道運営に関わることについて、東京メトロは「これまで培ってきた安全性や定時運行のノウハウを通じて更なる発展に貢献していきたい」としている。

ロンドン市交通局の最高執行責任者は「エリザベス線の成功をさらに発展させるため、GTSを使命したことをうれしく思う。協力していくことを楽しみにしている」などとコメントした。

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