高金利環境が続く中、住宅建設業者は値下げなどの販売促進策を講じている=AP

【ニューヨーク=野一色遥花】米商務省が19日発表した10月の住宅着工件数は前年同月比4%減の131万1000戸(季節調整済み、年率換算)と7月以来、3カ月ぶりの低水準となった。南部を直撃したハリケーンが戸建て建設の足かせとなったとの見方が多い。

前月比では3.1%減となり、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(134万戸)を下回った。戸建て住宅着工件数は前月比6.9%減の97万戸だった。

米調査会社キャピタル・エコノミクスの北米エコノミスト、ブラドリー・サンダース氏は「南部ではハリケーンのヘリーンやミルトンが一戸建て住宅着工を減らし、着工件数全体を引き下げる要因となった」と説明した。

南部の住宅着工件数は前月比8.8%減の66万6000戸、そのうち戸建ては同10.2%減の53万7000戸となった。

先行指標となる着工許可件数は141万6000戸で前月比0.6%減、前年同月比7.7%減と、市場予想(143万戸)を下回った。

住宅ローン金利が高水準なことも、住宅需要全体の重荷となっている。米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が14日発表した30年物固定住宅ローン金利は週平均で6.78%だった。23年10月につけた7%台後半から9月には6%近くまで下げていたが、10月以降は再び上昇している。

建設業者などは販売促進策などを提供し、高金利環境が続くなか客を呼び込もうとしている。ウェルズ・ファーゴの調査グループは「政策金利が下がり始め、米大統領選も終わり、建設業者は業況が改善することに期待を寄せている」と分析している。

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