【NQNニューヨーク=稲場三奈】19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落して始まり、午前9時35分現在は前日比306ドル11セント安の4万3083ドル49セントで推移している。ウクライナとロシアの戦闘を巡る地政学リスクの高まりから、売りが広がっている。
ウクライナ軍は19日、米国から供与された長距離地対地ミサイルでロシア西部の軍事施設を攻撃した。ロシアは核兵器による反撃の可能性を示唆。地政学的な緊張が一段と高まるとの警戒感から投資家が運用リスクを回避する姿勢を強め、主力株に売りを出している。ドイツなど欧州の主要な株価指数が下げているのも米株相場の重荷となっている。
19日発表の10月の米住宅着工件数は前月比3.1%減と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(1.0%減)を下回った。「住宅ローン金利の高止まりや労働市場の緩みが重荷となっている」(LPLファイナンシャルのジェフリー・ローチ氏)との声が聞かれ、投資家心理を下押しした面もある。
個別では、ホーム・デポやウォルト・ディズニー、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が安い。一方、20日に四半期決算の発表を控えるエヌビディアは買われている。ウォルマートも高い。朝発表の2024年8〜10月期決算で売上高などが市場予想以上だったうえ、25年1月期通期の見通しを引き上げた。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反落して始まった。
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