「ブラジルの誇り」と掲げられた本社をルラ大統領が訪問した(4月、サンパウロ州のエンブラエル本社)

【ブラジリア=水口二季】ブラジルの航空機大手エンブラエルが小型機の開発を計画していることが2日、分かった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。小型機は航空会社の需要が高い。実現すれば欧州エアバスのA320型機やボーイングの737型機と競合することになる。

同紙によると、エンブラエルはサウジアラビアの公的投資機関のほか、トルコやインド、韓国の製造会社などと連携の可能性を探っている。

エアバスA320などは旅客機内部に通路が1本のナローボディー(単通路機)と呼ばれる。新型コロナウイルス禍からの旅行需要の回復もあり、航空会社からの引き合いが強い。エンブラエルは日本経済新聞の取材に、「確かに新しいナローボディー機を開発する能力を持っている」と答えた。

一方で、「開発されたばかりの製品群があり、現在はその販売に集中している。現時点で大規模な投資サイクルの計画は何もない」とした。

エンブラエルは航空機世界3位で、リージョナルジェット機を製造している。ボーイングが同社との事業統合を進めていたが、2020年に統合を断念したと発表していた。

ボーイングは1月に小型機の胴体に穴が開く事故が発生して以降、品質問題への対応に追われている。

エンブラエルの23年の売上高は前年比16%増の52 億 6900 万ドル(約8200億円)だった。前年より20機以上多い181機を納入した。

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