21の国と地域が参加するAPECの首脳会議は、石破総理大臣やアメリカのバイデン大統領などが出席してペルーの首都リマで2日間の日程で開かれ貿易や投資、持続可能な成長などをテーマに議論が行われました。
このうち、中国の習近平国家主席は「アジア太平洋での協力は地政学的な対立や単独行動主義、保護主義の台頭などによる試練に直面している。貿易や投資、技術やサービスの流れを分断する壁を取り除き、安定的かつ円滑なサプライチェーンを守り、アジア太平洋と世界の経済の循環を促進すべきだ」と述べ、多国間貿易体制を重視する姿勢を強調しました。
また、来年、APECの議長国を務める韓国のユン・ソンニョル大統領は15日、企業関係者との関連イベントで「世界はサプライチェーンの断片化や保護主義により、多国間の貿易システムの危機に直面している」と述べました。
APECに集まった各国の首脳からは関税の引き上げなどを掲げるトランプ次期大統領の就任を前に保護主義的な傾向への懸念を示す意見が相次ぎました。
習主席 “アジア太平洋での協力 試練に直面している”
中国の習近平国家主席は16日、APECの首脳会議で演説し「アジア太平洋での協力は地政学的な対立や単独行動主義、保護主義の台頭などによる試練に直面している」と指摘しました。
その上で「私たちは地域経済の一体化を推進し、貿易や投資、技術やサービスの流れを分断する壁を取り除き、安定的かつ円滑なサプライチェーンを守り、アジア太平洋と世界の経済の循環を促進すべきだ」と述べ、多国間貿易体制を重視する姿勢を強調しました。
あわせて習主席は、2026年のAPECの議長国を務めると表明しました。
習主席としては、アメリカのトランプ次期大統領が選挙期間中、中国製品に高い関税を課すことを掲げていたことから、新政権の発足後に保護主義的な政策をとる可能性があるトランプ氏をけん制するねらいもあるものとみられます。
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