鉄道で運搬される小型機「737MAX」の胴体部品(米西部ワシントン州シアトル)=ロイター

【ヒューストン=花房良祐】航空機大手の米ボーイングが12日公表した10月の納入機数は前年同月比6割減の14機にとどまった。2020年11月以来の低水準。米西部の工場のストライキは終結して同日までに全ての従業員が出社したが、生産水準が回復するまで数週間はかかる見込みだ。

ボーイングは賃上げを巡る労使交渉がこじれ、西部ワシントン州などの工場で9月中旬から3万人以上が約50日にわたるストに入った。11月4日の組合員投票でストの終結が決まったことで6日から出勤可能となり、12日から全員の出勤が義務付けられた。

10月の納入機は、組合がない南部サウスカロライナ州の工場で生産した中型機「787」が4機だった。西部ワシントン州の工場で生産した小型機「737MAX」は、非組合員が作業して9機を納入した。

ボーイングはストに参加した従業員に訓練を施してから生産ラインに立たせる方針。部品供給網(サプライチェーン)の再構築にも時間がかかる見通しで、生産の正常化に数週間かかるとみている。

10月の新規受注も苦戦し、前年同月比5割減の63機だった。

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