【NQNニューヨーク=稲場三奈】8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、15時現在は前日比322ドル27セント高の4万4051ドル61セントで推移している。米大統領選でトランプ前大統領が勝利を確実にし、次期政権の経済政策が米景気を支えるとの見方が引き続き買いを促している。米連邦準備理事会(FRB)が利下げを続けていることも相場を押し上げている。
トランプ次期政権が打ち出す減税や規制緩和などの経済政策が、米景気を押し上げるとの期待が根強い。市場では、「8日は目立った取引材料に欠くなか、大統領選を受けた陶酔感が膨らんでいる」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との声が聞かれる。FRBが7日に追加利下げを決めたことも投資家心理の追い風となっている。
8日にミシガン大学が発表した11月の米消費者態度指数(速報値)は73.0と7カ月ぶりの高水準を付けた。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(71.0)を上回り、前月(70.5)からも改善した。1年先の予想インフレ率は2.6%と前月(2.7%)から低下した。米経済への楽観も相場上昇につながっている。
8日からダウ平均の構成銘柄となったシャーウィン・ウィリアムズは買われ、エヌビディアは売られている。
その他のダウ平均の構成銘柄では、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やホーム・デポ、ビザといった消費関連株の一角が高い。ゴールドマン・サックスやユナイテッドヘルス・グループ、セールスフォースも上昇している。半面、キャタピラーやアマゾン・ドット・コムは下げている。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は4日続伸している。テスラが上昇し、時価総額は1兆ドルを超えている。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も上昇し、節目の6000を上回っている。6000を上回るは初めてとなる。
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