10月29日から30日にかけてスペイン東部のバレンシア州などで記録的な大雨が降って洪水が起き、車や橋が流されるなどの被害が相次ぎました。

地元メディアによりますとこれまでに合わせて205人の死亡が確認され、スペイン国内の水害としては過去50年で最悪の規模だと伝えられています。

被災地では1日も雨が降り続くなか、消防などに加えて軍の部隊も救助活動に投入され、水に浸かった車の中を捜索したり、道路にたまった土砂をかき出したりしていました。

一方、現地では、当局の対応の遅れが被害の拡大につながったとして批判も起きていて、地元メディアは当局が住民に災害への警戒を呼びかけた時にはすでに被害が広がっていたという被災者の声を伝えています。

現地では多くの道路が寸断されて救助活動が難航し、依然として行方がわからない人もいるということで、被害はさらに拡大するおそれがあります。

また、世界各地の異常気象について調べている国際的な研究チームは、今回の大雨をもたらした低気圧が勢力を強めた原因として地球温暖化が影響している可能性があるという見方を示しました。

被災地の様子は

大きな被害が出た町のひとつ、バレンシア州のウティエルでは、あちこちに土砂やがれきが散乱し、洪水で流された車などが水に浸かったまま残されていました。

現地は1日の夜に入り、片づけ作業などを終えて泥だらけになった人たちが疲れた様子で歩いていました。

町なかにある住宅には1メートル以上の高さまで泥水が流れ込んできたということで、壁にはくっきりと水のあとが残っていました。

家の中は一面泥だらけになり、住んでいた人たちは、別の家に避難したということです。

住宅の片づけを手伝っていた58歳の男性によりますと、洪水が発生してからあっという間に水位が上がり、家の中に水が入ってきたということで、「大雨が降るとは聞いていたが、こんな津波のような災害になるとは誰も教えてくれなかった」などと話し、憤りをあらわにしていました。

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