【ワシントン=赤木俊介】米労働省が29日発表した9月の雇用動態調査(JOLTS)によると、非農業部門の求人件数(季節調整済み、速報値)は744万3000件だった。前月から41万8000件減り、市場予想(800万件)を下回った。21年1月以来、約3年8カ月ぶりの低水準となった。解雇件数と採用件数はともに前月から伸びた。
9月は政府部門を除く求人件数が28万6000件減った。医療・福祉サービスの求人件数が17万8000件、飲食・宿泊サービスの求人件数は10万2000件減った。小売業は5万8000件、卸売業は2万2000件それぞれ減った。一方、金融・保険サービスの求人件数は8万5000件増えた。
9月の採用件数(政府部門は除く)は前月から14万4000件増え、521万1000件となった。レイオフ(一時解雇)などを含む解雇件数(政府部門は除く)は前月から18万6000件増え、177万5000件となった。
労働省が10月4日発表した9月の雇用統計をもとに計算すると、同月は失業者1人に対し約1.1件の求人があった。失業者に対する求人件数は21年6月並みの低水準となった。
米インディード・ハイアリングラボのエコノミスト、コーリー・スターレ氏は「9月の求人件数減少の7割ほどは南部の州(の変化)によるものだ」と説明し、9月末に米南部に上陸した大型ハリケーンの影響があったと指摘した。
また、求人件数は減少した半面、解雇件数と採用件数が同時に増加したため「(米労働市場の弱さの)シグナルというよりも、ノイズである可能性がある」と分析した。
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