【ニューヨーク=佐藤璃子】国連安全保障理事会は28日、イスラエル軍によるイランへの報復攻撃を受けて緊急会合を開いた。各国は中東地域の緊張がエスカレートしていることへの懸念を示し、すべての当事者に攻撃を自制するよう求めた。米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は「イスラエルとイランの間の直接的な武力衝突はこれで終わりにすべきだ」と述べた。
イスラエル軍は26日、1日に受けたミサイル攻撃への対応としてイランに反撃した。この攻撃を巡り、安保理理事国である中国やロシア、アルジェリアの支持を得てイランが緊急会合の開催を要請した。
安保理理事国ではないが、利害関係国として会合に参加したイランのイラバニ国連大使はイスラエルの攻撃が「国際法と国連憲章に明白に違反している」と強調。「事態のエスカレートの責任はイスラエルとそれを支える米国にある」とも訴えた。
トーマスグリーンフィールド氏はイランに対して「被害者であると主張し、責任転嫁しようとしている」と反論した。「イランがイスラエルやこの地域における米国人に対してさらなる敵対行動をとるならば、厳しい結果が待ち受けているだろう」とけん制する場面もあった。
イスラエルのダノン国連大使は加盟国に対して「イランの軍事・経済インフラを標的とした、即時かつ甚大な制裁を要求する」と述べた。
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