イスラエル軍は26日、イランがイスラエルに対して10月1日に行った大規模なミサイル攻撃への対抗措置として、イラン国内の複数の地域に空爆を行い、ミサイルの製造施設や地対空ミサイルシステムなどを攻撃したと発表しました。

イスラエル軍の攻撃を受けてイラン外務省は声明を出し「主権侵害だ」と強く非難しました。

また、イラン軍はイスラエル軍の攻撃はイラクの領空に侵入して行われ、迎撃に成功したものの兵士4人が死亡したほか、いくつかのレーダーシステムに限定的な被害が出たと発表しました。

その上で「イランは適切な方法で適切な時期に対応する権利を持つが、ガザ地区とレバノンでの停戦の重要性を強調する」として、停戦に向けた協議の行方などを見極めながら、イスラエルに反撃するかどうかを慎重に判断する姿勢を示しました。

イスラエル軍のハガリ報道官は「イランが再び攻撃を行うという過ちを犯した場合は、われわれは対抗する義務がある」と述べ、イランをけん制していて、イランの出方が焦点となっています。

アメリカ バイデン大統領「これで終わりであることを望む」

アメリカのバイデン大統領は26日、東部ペンシルベニア州フィラデルフィアの空港で記者団に対し、「イスラエルは軍事施設だけを攻撃したようだ。これで終わりであることを望む」と述べました。

アメリカ政府は中東での紛争がこれ以上、拡大することは望んでおらず、バイデン大統領はこれまで、イスラエルがイランによる攻撃への対抗措置をとる権利はあるとしながらも、核施設や石油生産施設への攻撃は自制するよう求めてきました。

岩屋外務大臣 「事態の沈静化を強く求める」

岩屋外務大臣は談話を発表し「今回の攻撃を含む報復の応酬を深く懸念し、事態をエスカレートさせるいかなる行動も強く非難する。中東地域の平和と安定は、わが国にとっても極めて重要であり、すべての関係者に対して最大限の自制を求めるとともに、事態の沈静化を強く求める」としています。

その上で「政府として、在留邦人の保護に万全を期すとともに、事態のさらなる悪化を防ぐべく、引き続き必要なあらゆる外交努力を行っていく決意だ」としています。

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