【ワシントン=飛田臨太郎】米大統領選の共和党の大統領候補であるトランプ前大統領が25日、ポッドキャストの人気司会者、ジョー・ローガン氏と3時間にわたり対談した。大統領在任中の「最大の過ち」は人事だと触れた。台湾を「我々の半導体ビジネスを盗んだ」などと批判した。
2017年1月から4年間続いたトランプ前政権を振り返り「選ぶべきではなかった数人の人物を選んでしまった」と言及し「ネオコン(新保守主義)、悪人、不誠実な人々」と語った。
トランプ氏が11月の大統領選で再選した場合、自身に逆らわない人物ばかりを登用する可能性がささやかれる。
ワクチン接種に懐疑的なロバート・ケネディ・ジュニア氏を「間違いなく」閣僚に登用するとの意向を示した。「健康に焦点をあて、好きなことをして欲しい」と加えた。ケネディ氏は無所属で大統領選に立候補していたが撤退し、トランプ氏を支持した。
連邦所得税を外国からの輸入への関税に「置き換える」という政策に本気で取り組むのか聞かれ「もちろんだ」と答えた。
1901年に銃撃で亡くなったマッキンリー大統領を取りあげて、称賛した。「彼は関税王だった。彼は『敵が我々の仕事や工場、労働者、家族を奪うことを許さない』と語ったが、まさに正しかった」と説いた。
台湾を巡って「彼らは我々に保護を求めているのに、その保護の対価を払おうとしていない」と力説した。世界の半導体産業の中心となっている台湾は米国のビジネスを「盗んだ」と主張した。
在任中の北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記とのやりとりも明かした。「なぜ落ち着いて、くつろがないのか、ビーチに行ってリラックスした方がいい」、「あなたは核兵器を作っているが、そんな必要はない」などと伝えたという。
地球外生命体についても話題になり、トランプ氏は「火星などの惑星に生命体が存在しないと考える理由はない」と触れた。
ローガン氏は主に若年男性層を中心に人気を集め、数千万人のファンを持つとされる。2年前にトランプ氏を「民主主義への脅威」などと表現し関係が悪化していたが、対談は友好的だった。
トランプ氏は投票先を決めかねている若年層の浮動票の取り込みを狙った。南部テキサス州でのローガン氏との収録が長引き、夜に予定していた中西部ミシガン州での選挙集会に3時間ほど遅れて到着した。
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