今回のG20は、欧米などが物価の抑制から利下げによる景気の下支えに軸を移す中、世界経済に関する各国の認識やこの先の安定に向けてどのように協調していくかが焦点となりました。

最終日の25日に行われた世界経済の見通しに関する議論では、各国が「ソフトランディング=軟着陸についてよい見通しを持っている」という認識で一致しました。

ただ、議論の成果をまとめた共同声明では「高い不確実性の中でいくつかの下振れリスクが高まっている」と指摘し、各地の戦争や紛争に加え、経済的な分断が世界経済の安定にとってリスクになりかねないと懸念を示しました。

今回のG20はアメリカ大統領選挙がまぢかに迫る中での開催となりましたが、かつて高い関税をかけ合うなど貿易政策をめぐる米中の対立が世界経済のリスクになったことも踏まえ、行き過ぎた保護主義が再び広がることに警戒感をにじませた形です。

加藤財務大臣は会議のあとの会見で「自由貿易がわが国経済であり世界経済の成長を促してきている。経済的な分断の要素が広がっていくことになれば経済の下振れリスクになりかねない」と述べました。

このほか、会議では途上国による気候変動対策を支援するため世界銀行などの「国際開発金融機関」の機能強化についても意見が交わされました。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。