バイデン米大統領は29日、エジプトのシーシ大統領、カタールのタミム首長と、それぞれ電話で協議した。パレスチナ自治区ガザ地区での即時停戦と人質解放の実現をめざす現在の取引案について話し合った。バイデン氏は両首脳に対し、イスラム組織ハマスが拘束している人質の解放に向けてあらゆる手を尽くすよう強く働きかけ、今後数日間にわたり、首脳や高官の間で緊密に連携していくことで合意したという。
昨年10月にハマスがイスラエルに奇襲攻撃をしかけた際に拉致され、ガザで現在も拘束されている人質の解放と、民間人の命を守る即時停戦をセットにした取引案を実現させるため、3カ国はイスラエルとハマスの交渉を仲介してきた。ホワイトハウスの発表によると、バイデン氏は両首脳に、米国としても両国とともに、取引案の完全な履行に向けて努力していくことを伝えたという。ガザへの人道支援を増やす取り組みについても協議した。
停戦と人質解放の交渉は数カ月にわたり続いている。ハマス壊滅をめざすイスラエルと、ガザからのイスラエル軍の完全撤退や永続的な停戦を求めるハマスとの間で溝は埋まっていないが、イスラエル側が態度軟化の兆しをみせるなど、米国内では進展を期待する見方もある。(ワシントン=下司佳代子)
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