イスラエル軍はガザ地区への攻撃を続けていて、29日も南部ラファの住宅への空爆で、ロイター通信は少なくとも25人が死亡したと伝えています。
ガザ地区の保健当局によりますとこれまでの死者は、3万4488人に上ったということです。イスラエルとハマスの間では、エジプトなどの仲介で戦闘の休止や人質の解放に向けた交渉が行われていて、イスラエルのメディアはハマスの代表団が29日にエジプトを訪れ、協議に臨むと伝えています。
またアメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは29日、イスラエル当局者の話として、ハマス側が参加すればイスラエルは30日にも代表団をエジプトに派遣すると伝えています。
交渉で、イスラエル側は、人質が解放されれば戦闘の終結について協議する用意があるとの姿勢を示していると伝えられています。
中東を訪問しているアメリカのブリンケン国務長官は29日「イスラエルは極めて寛大な提案をしている」と述べ、ハマス側に提案を受け入れるよう求めていて、交渉が進展するかが焦点となっています。
“イスラエル治安部隊が重大な人権侵害”米国務省
アメリカ国務省のパテル副報道官は29日の記者会見で、ガザ地区でイスラエルとイスラム組織ハマスの衝突が起きた去年10月以前に、イスラエルの5つの治安部隊が、重大な人権侵害を引き起こしていたことを確認したと明らかにしました。
人権侵害の具体的な内容は明らかにしていませんが、アメリカのメディアは、ヨルダン川西岸地区でパレスチナ人に対する虐待などが行われていたと伝えています。
パテル副報道官はこのうち4つの部隊についてはすでに効果的な措置がとられ、是正されているとしています。
アメリカの法律では、外国の治安部隊などが重大な人権侵害に関与したという信頼できる情報があった場合、その部隊などへの軍事支援を禁じていて、会見に先立ち、アメリカのメディアは、イスラエルへの支援停止の可能性について報じ、ネタニヤフ首相が反発していました。
ただ、国務長官が、外国政府が効果的な措置をとっていると判断した場合は支援は認められることになっていて、ハマスとの戦闘が続く中、バイデン政権がどのような対応をとるのか注目が集まっています。
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