中国の習近平(シーチンピン)国家主席は22日、新興国でつくる「BRICS」の首脳会議に出席するためにロシア・カザンを訪れ、プーチン大統領と会談した。双方は米欧との対立が鮮明化する中でも、協力関係を深めることを確認した。

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 両氏の会談は、プーチン氏が訪中した5月と、中ロが主導する安全保障の枠組み「上海協力機構(SCO)」の首脳会議がカザフスタンで開かれた7月に続いて今年3回目。

 プーチン氏は会談で、モスクワに多数の中国人観光客が訪れていることや、「外部からの否定的な影響」がある中でも両国間の貿易額が伸びていることなどに言及。米欧による制裁が続いていることを念頭に、「我々の多面的な協力関係は、対等であり、お互いを利するものであり、決して情勢に左右されるものではない」と述べた。

 これに対し、習氏は今月はじめに国交75周年に合わせて祝電を交換したことに触れつつ、中ロ関係について「複雑な経過を経て、同盟を結ばず、対立せず、第三者をターゲットにしないという、隣り合う大国どうしの正しい付き合い方を模索してきた」と評価。「深い友情が変わることはなく、世界の人々を支援するという大国としての取り組みも変わることはない」と述べ、BRICSなどの枠組みを通じて西側主導でない国際秩序づくりに取り組む姿勢を改めて示した。

 中国国営中央テレビのSNSアカウントによると、習氏を乗せた専用機がカザン空港に到着する際、ロシア空軍の戦闘機が護衛したという。

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