フィリピン軍が日本の大手電機メーカーから調達したのは、航空機などの監視のため自衛隊が運用するレーダーをもとに、輸出用に開発されたものです。

29日は、首都マニラにある軍の司令部で引き渡し式が行われ、日本の鬼木防衛副大臣や、フィリピンのテオドロ国防相が出席しました。

式典で鬼木副大臣は「インド太平洋地域における安全保障環境がいっそう厳しさを増す中、両国が警戒監視能力を高め、連携できれば抑止力の向上に資する」と述べました。

これに対し、テオドロ国防相は「われわれは、同じような課題に直面している。課題を克服し、ともに立ち向かおう」と応じました。

フィリピン軍によりますと、レーダーは、航空機やドローンに加え、海上の船舶も正確に追跡できるほか、移動式のため、離島などの遠隔地でも容易に展開し運用が可能だとしています。

南シナ海の領有権をめぐり、中国との対立を深めるフィリピンは、再来年までに今回のレーダーを含む合わせて4基を日本から調達するほか、日本政府が同志国の軍に防衛装備品などを提供する新たな枠組み、OSAを通じて、5基の海洋監視用レーダーの供与を受ける予定です。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。