【ニューヨーク、エルサレム=共同】国連安全保障理事会は16日、パレスチナ自治区ガザの人道危機を協議する緊急会合を開いた。米国のトーマスグリーンフィールド国連大使はイスラエルに対して「ポリオ予防接種や人道支援物資の配送や分配を可能にするため、ガザ全域で人道的な戦闘休止をしなければならない」と求めた。
一方、イスラエルメディアによると、ネタニヤフ首相は16日、ガザへの人道支援物資搬入を増やすための緊急会議を開いた。米政府が状況改善に向けてイスラエルに具体的な措置を講じるよう求め、人道支援を妨げれば軍事支援を止める可能性もあると警告していた。
トーマスグリーンフィールド氏は、水や食料などが危機的に不足するガザへの支援物資搬入でイスラエルの協力が不十分だと指摘。特にガザ北部が深刻で、イスラエルの姿勢は容認できず「国際法、米国法に抵触する可能性がある」と訴えた。
戦闘開始から1年が経過し「イスラム組織ハマスが弱体化した今、イスラエルは国連や国際社会と協力し、避難した民間人が帰還できる計画を策定すべきだ」と語った。
イスラエルのダノン国連大使は、ガザへの物資搬入量は十分だが、一般市民に届く前にハマスが物資を盗んでいると主張。ハマスとの戦闘を続ける姿勢を示した。
ガザの人道状況改善に向け、米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官は13日、イスラエルのガラント国防相らに具体的な措置を30日以内に取るよう求める連名の書簡を送付していた。
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