米ウォール街=ロイター

【NQNニューヨーク=戸部実華】16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比51ドル77セント高の4万2792ドル19セントで推移している。市場予想を上回る決算を発表した金融株を中心に買いが先行しているほか、前日に大幅安となった主力株の一角が持ち直し、相場を支えている。ダウ平均の上げ幅は200ドルを超える場面もある。

前週から始まった金融大手による決算発表は市場予想を上回る内容が相次いでいる。ダウ平均の構成銘柄ではないが、16日はモルガン・スタンレーが大幅高で始まった。同日朝に発表した2024年7〜9月期決算で売上高に相当する純営業収益と1株利益が市場予想を上回った。一連の金融大手の決算は、米経済がソフトランディング(軟着陸)できるとの見方も後押ししている。

16日朝発表の9月の米輸入物価指数は前月比0.4%下落し、市場予想(0.3%下落)以上に下がった。米連邦準備理事会(FRB)が利下げを継続し、米経済の落ち込みが避けられるとの観測も根強い。

前日に大幅安となったユナイテッドヘルス・グループが高く始まったことも、ダウ平均を支えている。ダウ平均の構成銘柄ではないが、前日に下げが目立ったエヌビディアなど半導体株の一角も売りが一服しており、投資家心理の改善につながっている。

もっとも、ダウ平均は一時、小幅に下落する場面がある。週初に最高値を更新し、高値警戒感や短期的な過熱感も意識されやすい。17日発表の9月の小売売上高や、本格化する主力企業の決算発表を見極めたい雰囲気もある。

個別銘柄ではアナリストが投資判断を引き上げたシスコシステムズが高い。ゴールドマン・サックスやアメリカン・エキスプレス、キャタピラーも買われている。一方、インテルには売りが続いている。中国当局系団体が16日、国家の安全保障を脅かすとしてセキュリティーリスクを巡る審査を申し立てたと発表した。マイクロソフトやアップルも下げている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も一進一退で始まった。

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