イスラエルとレバノンの国境地帯で停戦監視に当たってきた平和維持部隊「国連レバノン暫定軍」は13日、イスラエル軍の戦車2両が拠点の正面ゲートを壊して侵入したほか、付近の発砲による煙で隊員たちがかゆみや吐き気などを訴え、治療を受けていると発表しました。
部隊では今月10日以降、イスラエル軍の攻撃によって5人が負傷し、国際的な非難が強まっていて、国連レバノン暫定軍は相次ぐ攻撃や侵入について「重大な国際人道法違反だ」と批判し、イスラエル軍に説明を求めたとしています。
一方、これに先だってイスラエルのネタニヤフ首相はビデオ声明を発表し、国連のグテーレス事務総長に向け「今すぐ国連レバノン暫定軍を危険から遠ざけなさい」と呼びかけました。
そして「ヒズボラの拠点や戦闘地域から離れるよう繰り返し求めてきたが、拒否された。退避させなければ国連軍の兵士たちはヒズボラの人質となってしまい、われわれの兵士も危険にさらすことになる」と主張し、あくまでもレバノン南部への地上侵攻を続ける構えを強調しました。
国連 グテーレス事務総長が強く非難
イスラエル軍による国連レバノン暫定軍に対する攻撃が相次いでいることについて、国連のグテーレス事務総長は13日、声明を発表し「平和維持部隊に対する攻撃は、国際人道法を含む国際法違反であり、戦争犯罪に該当する可能性もある」と強く非難しました。
そして「イスラエル軍を含むすべての当事者に、平和維持部隊を危険にさらすような行動を一切控えるよう呼びかける」としたうえで、2006年の国連の安全保障理事会の決議を順守して、戦闘を停止するよう改めて求めました。
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