イスラエルのネタニヤフ政権は、10月1日に大規模なミサイル攻撃を行ったイランへの対抗措置をとるとしていて、アメリカや中東の産油国は、事態のエスカレートを防ぐため標的にイランの核施設や石油関連施設を含めないよう求め、働きかけを続けています。

こうした中、イラン外務省は11日、アラグチ外相が各国政府などに書簡を送ったことを明らかにしました。

この中でアラグチ外相は「さらなる攻撃に対して、イランはより強力な防衛行動をとる用意がある」として反撃する構えを強調し、イスラエルをけん制しました。

また、イスラエルによるパレスチナのガザ地区や隣国レバノンへの攻撃は人道に対する罪だとして、各国の外交努力によってやめさせるよう呼びかけたとしています。

“爆発で兵士2人負傷” 国連レバノン暫定軍

一方、イスラエル軍がレバノン南部での地上侵攻を続けるなか、国境地帯で停戦監視にあたっている国連レバノン暫定軍は11日、拠点にある監視塔の近くで爆発が起き、前の日に続いて平和維持部隊の兵士2人が負傷したほか、イスラエル軍の車両によって拠点の外壁が倒されたと発表しました。

これについてイスラエル軍は状況を調べているとしながらも、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラへの攻勢を強め地上侵攻を続ける構えを崩しておらず、国連レバノン暫定軍に参加している各国から平和維持部隊の安全確保を求める声が高まっています。

ヒズボラ “戦いは始まったばかり”

ヒズボラの報道官は11日、レバノンの首都ベイルートで声明を読み上げ、イスラエル軍によるベイルート郊外への攻撃について「毎晩続く敵の暴力的な攻撃によって、市民の住宅などが破壊されている。こうした場所に武器庫があるという薄っぺらい口実は、もはや誰も信じない」と主張しました。

ヒズボラは先月、イスラエル軍の空爆によって最高指導者のナスララ師が殺害されたあと、後継の指導者は明らかになっていませんが、報道官は「この数日間のテルアビブやハイファなどへの攻撃は、戦いがまだ始まったばかりであることを示している。敵はわれわれの力の、ほんの少ししか見ていない」と述べ、今後、イスラエル各地への攻撃を本格化させると強調しました。

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