【NQNニューヨーク=横内理恵】9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸して始まり、午前9時50分現在は前日比151ドル22セント高の4万2231ドル59セントで推移している。米景気懸念が薄れていることや米原油先物相場の上昇が一服していることなどが指数を支えている。半面、主要な株価指数が最高値圏で推移しており、割高感や高値警戒感から主力株の一部に売りが出て、指数の上値を抑えている。
前週末発表の9月の米雇用統計が米景気の底堅さを示したことなどが投資家心理を支え、消費関連銘柄などが物色されている。9日午後には米連邦準備理事会(FRB)が9月17〜18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表する。FRBは同会合で通常の2倍の0.5%の利下げを決めた。雇用情勢などに配慮した姿勢が確認されれば、米経済がソフトランディング(軟着陸)できるとの安心感につながる可能性がある。
ダウ平均は前週末に最高値を更新し、多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も9月末に付けた最高値に近づいている。同日の上海や香港の株式相場が下落したこともあり、米株にも利益確定や持ち高調整の売りが出やすい。
ダウ平均ではナイキやIBM、ゴールドマン・サックスなどが上げている。一方、ウォルト・ディズニーやインテルなどが安い。ボーイングは4%ちかく下落する場面がある。待遇改善を求める従業員のストライキが長引き、交渉妥結のめどが立たないなか、債務格付け引き下げの懸念が重荷となっている。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反落して始まった。エヌビディアなど前日に上げた半導体株などへの売りが目立つ。アルファベットも安い。傘下のグーグルの検索サービスの独占を解消するために、米司法省が8日に会社分割などを含めた措置の枠組みの案を連邦裁判所に提出したことが分かった。
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