メキシコ南部ゲレロ州で、就任したばかりの市長が残酷な方法で殺害されたと、ロイター通信などが9日までに報じた。SNSや現地メディアでは、ピックアップトラックに乗せられた、切断された市長の頭部とみられる画像が出回っていたという。麻薬組織の関与が取りざたされている。

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 米CNNによると、殺害されたのは州都チルパンシンゴの市長。1日に就任したばかりで、6日に遺体で見つかった。同じく1日に就任した同国のシェインバウム大統領は、市長の殺害について「不幸なことだ」と話した。

 当局は、容疑者について詳しく公開していないが、麻薬組織の関与を疑う指摘があり、BBCは「ゲレロ州は麻薬暴力が最も蔓延(まんえん)している州のひとつで、(メキシコ)全国では麻薬組織が何十人もの政治家を殺害している」と指摘した。シェインバウム大統領が当選を決めた6月までの選挙期間中(地方選なども含む)も、同州で少なくとも6人の候補者が殺害されたという。

 麻薬組織が強大な力を持つメキシコでは、特に2006年以降、治安の悪化が深刻になっている。ゲレロ州には世界有数の観光地アカプルコがあるが、州都のチルパンシンゴとその周辺は、日本の外務省がメキシコ内で唯一渡航中止勧告を出している地域だ。(友田雄大)

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