【NQNニューヨーク=川上純平】8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比25ドル44セント安の4万1928ドル80セントで推移している。米長期金利が一段と上昇し、金利と比べた株式の相対的な割高感が意識されている。半面、米経済が大幅な悪化を避けられるとの見方は主力株への買いを誘い、ダウ平均は上げる場面もある。
米長期金利は8日に一時4.05%と8月上旬以来の高水準を付けた。前週末発表の9月の米雇用統計が労働市場の底堅さを示した。市場では米連邦準備理事会(FRB)が次回11月の会合で利下げ幅を前回と同じ0.5%にするとの見方が後退。10月の雇用統計の内容次第では、利下げを見送るとの観測も一部に浮上している。
FRBのクグラー理事は8日に講演し、同日に公開した草稿で、物価の安定と雇用の最大化というFRBの2つの使命のうち「雇用の最大化にも注意を払うことを支持する」と述べた。インフレ圧力が予想通り緩和し続ければ「追加の利下げを支持する」とも語った。米経済が今後も底堅く推移するとの見方は投資家心理を下支えしている。
キャタピラーやシェブロンが下落している。ナイキとダウも安い。半面、アップルやホーム・デポ、トラベラーズは上昇している。先端素材事業の分離を発表したハネウェル・インターナショナルも高い。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反発して始まった。エヌビディアが買われている。
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