【NQNニューヨーク=稲場三奈】9月30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸した。前週末比16ドル95セント高の4万2329ドル95セント(速報値)で終え、連日で最高値を更新した。同日に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の発言を受け、追加の大幅利下げ観測がやや後退した。一方で、経済を支える姿勢は鮮明にしており、先行きへの楽観的な見方が投資家心理の支えとなった。
30日午後にパウエルFRB議長が講演し、今後の利下げについて言及しつつ、「あらかじめ決まった道筋をたどっているわけではない」と語った。質疑応答では「利下げを急ぐような状態ではない」とも述べた。市場では「11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げをするとの見方が強まり、株売りにつながった」(インタラクティブ・ブローカーズのホセ・トーレス氏)との見方があった。ダウ平均の下げ幅は380ドル超となる場面があった。
ダウ平均は前週まで3週連続で上げ、1967ドル上昇していた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は前週に最高値を更新。株式相場の上昇基調が継続しており、高値警戒感や過熱感が意識されやすく、主力株に売りが出た面もあった。
半面、FRBはすでに利下げに転じており、景気を支える姿勢を打ち出している。米景気の大幅な悪化を回避できそうだとの見方は投資家心理の支えとなっている。下値では買いも入り、大引けにかけてダウ平均を押し上げた。
個別ではアップルが2%、ウォルマート、ホーム・デポがそれぞれ1%上昇した。一方、ボーイングが大幅安で終えた。ストライキに入った労働組合と新しい労働協約を巡る交渉が暗礁に乗り上げたと伝わり、株価の重荷となった。インテルやダウ、ナイキも安かった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前週末比69.580ポイント高の1万8189.170(速報値)で終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も反発し、最高値を更新した。
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