米ウォール街=ロイター

【NQNニューヨーク=矢内純一】30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落して始まり、午前9時45分現在は前週末比226ドル78セント安の4万2086ドル22セントで推移している。ダウ平均は前週末に最高値を更新した後で、主力株に持ち高調整や利益確定目的の売りが出ている。

ダウ平均は前週まで3週連続で上げ、1967ドル上昇した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は前週に最高値を更新。株式相場の上昇基調が継続している。高値警戒感や過熱感が意識されやすく、主力株に売りが出ている。

個別銘柄では、ボーイングが安い。ストライキに入った労働組合と新しい労働協約を巡る交渉が暗礁に乗り上げたと伝わり、株価の重荷となっている。一部のアナリストが投資判断を引き下げたJPモルガン・チェースも下落している。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、自動車の欧州ステランティスが急落している。2024年12月期通期の収益見通しを下方修正したと30日朝に発表。米国を含め世界的に市場環境が悪化しているほか、中国市場での競争激化などがあるといい、米ゼネラル・モーターズ(GM)が一時3%安など、他の自動車大手や車載半導体など関連銘柄にも売りが出ている。

30日午後に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演がある。週内には、9月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数や9月の米雇用統計の発表を控えている。米国の金融政策や景気の見通しを探る上で、FRB高官の発言や経済指標を見極めたい投資家が多い。

そのほかの個別銘柄では、セールスフォースやインテルが安い。ダウやナイキ、アメリカン・エキスプレスも下落している。一方、アップルとウォルマートが高い。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は一進一退で始まった。

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