海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」や豪州、ニュージーランドの軍艦が25日、中国と台湾の間の台湾海峡を通過したことについて、台湾は26日午後3時(日本時間同4時)の時点で、正式なコメントを出していない。事実関係を認めていない日本政府への配慮や、中国を過度に刺激することを避ける狙いなどから、事態を静観するとみられる。
ただ、台湾はこれまで各国軍艦の通過には歓迎を示してきた。9月13日にドイツ軍艦が22年ぶりに台湾海峡を通過した数日後、ドイツ議員団と会談した林佳龍外交部長(外相)はSNSで「『航行の自由』守る各国を歓迎する」と表明している。
頼清徳(ライチントー)総統は繰り返し、民主主義国家との連携を強化することで、中国の脅威に一致して立ち向かっていく方針を示している。政権は今回の日本側の動きも、抑止力の向上をはかる台湾を支持する行動と評価しているとみられる。
中国の反発も想定される。ただ、立法院(議会)で外交・防衛分野を議論する委員会に所属する与党民進党の陳冠廷立法委員(議員)は「台湾への中国の圧力はどこの国の護衛艦が(台湾海峡を)通過したからといって変わるものではない。むしろ圧力を押さえるためには各国との協力強化が必要だ」とみる。(台北=高田正幸)
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