国連の安保理をめぐっては、常任理事国のロシアやアメリカ、中国がたびたび拒否権を行使し、ウクライナや中東などの情勢で戦闘を止めるための有効な対策を打ち出せず機能不全に陥っていると指摘されています。

こうした批判を受けて安保理では25日、各国の首脳らが参加して安保理の在り方を議論する公開討論が行われました。

およそ90か国が参加を表明し、冒頭、今月の議長国のスロベニアが提出した議長声明が採択されました。

声明は
▽国際社会の平和と安全保障の維持に対する安保理の一義的な責任を再確認し
▽最も効果的な方法でその責任を果たすと決意を表明しているほか
▽武力紛争で市民や人道支援の関係者を保護する義務などを強調しています。

このあと、各国の首脳が演説し、常任理事国のうち、イギリスのスターマー首相は「世界は、安保理の平和へのリーダーシップをかつてなく求めており、イギリスはその責任を果たす」と表明しました。

一方でスターマー首相は「この世代で最大の国連憲章違反が常任理事国の1か国によって行われた。ロシアによるウクライナ侵攻は違法だ。ロシアがどうしてこの建物に顔を出せるのか不思議だ」と激しく批判しました。

これに対してロシアのポリャンスキー国連次席大使は「わが国を悪者にしようとして脅迫する人々は、巨大な軍事力と経済力を持つロシアのような国に勝利することは不可能だと認識すべきだ」と反発し、常任理事国どうしの対立が改めて浮き彫りになりました。

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