中国を訪問中のブリンケン米国務長官は26日午後、習近平(シーチンピン)国家主席と会談した。中国国営中央テレビが伝えた。ブリンケン氏と習氏の会談は昨年6月以来。11月に迫る米大統領選前にバイデン政権高官が習氏と会うのは今回が最後となる可能性が高く、選挙後も見据えた両国関係の安定化を図れるかが焦点になる。
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今月2日の電話協議で、米中首脳は対話の継続で一致していた。ブリンケン氏と習氏は、南シナ海や台湾問題、中国によるロシアへの支援などをめぐって意見を交わすとみられる。
これに先立ち、ブリンケン氏は26日午前に王毅(ワンイー)政治局員兼外相と会談。その後、両氏は昼食をともにした。米国務省によるとブリンケン氏は王氏に、中国がロシアの防衛産業を支援しているとして懸念を示したほか、台湾海峡の平和と安定の維持が重要だと伝えた。南シナ海での中国の活動や、中東や朝鮮半島情勢についても議論した。ブリンケン氏は、王小洪公安相とも会談した。
ウクライナ侵攻、台湾問題での主張は
米中両国は昨年11月の米カリフォルニア州での首脳会談後、関係改善に向けた対話を継続する方向で合意した。だが、双方の各分野では隔たりが目立つ。
米国は、今月11日に開いた日米フィリピン3カ国の首脳会談などを通じ、中国に対抗する多国間連携の枠組みを築こうとしてきた。また、ウクライナに侵攻するロシアを中国が貿易などを通じて支援しているとの批判を強めている。
中国側はこうした対応に不満を募らせている。台湾問題をめぐっては、米国に台湾独立を支持せず、武器の提供をやめるように求め、「中米関係で越えてはならない第一のレッドラインだ」との従来の立場を主張するとみられる。(北京=清宮涼、井上亮)
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