【ロンドン=大西康平】英イングランド銀行(BOE)は19日、政策金利を発表する。インフレ鈍化の進捗を確認するために据え置く方向で慎重に判断する見通しだ。一部には2会合連続の利下げを決めるとの見方も出ている。

18日まで開いた金融政策委員会の決定内容を発表する。BOEは8月に4年5カ月ぶりの利下げを決め、政策金利を5%に引き下げた。

政策金利を据え置く方向で議論するのは、根強いインフレへの懸念が残るからだ。8月の消費者物価指数の前年同月比の上昇率は、BOEの物価目標である2%を2カ月連続で上回った。特にサービス価格は5.6%と前月の5.2%から上昇に転じ、高止まりが続く賃金上昇率の影響がなお大きい。

ベイリー総裁も8月の記者会見で「利下げが大きすぎず、速すぎないように注意する必要がある」と強調していた。

2会合連続の利下げを決めるとの見方もある。18日に米連邦準備理事会(FRB)は通常の倍となる0.5%の利下げを決めた。英米の金利差による為替市場でのポンド高の進行が経済の逆風になるとの懸念が出る。政策金利が5%を下回って決まれば、23年5月以来となる。

量的引き締め(QT)による保有国債の年間削減目標も発表する見通しだ。24年9月までの1年間では償還と市場売却を合わせて1000億ポンド(約18兆7000億円)としていた。23年9月までの800億ポンドから引き上げていた。

今後の焦点は利下げのペースだ。ロンドン証券取引所を運営する英LSEGによると、18日時点の市場予想では11月と12月の年内2回の利下げがメインシナリオだ。

声明文の文言変更の有無がポイントとなる。8月には金融政策の先行きを「根強いインフレのリスクを注視し続けて、各会合で金融引き締めの適切な度合いを決める」として、前会合までの「現在の政策金利の水準をいつまで維持すべきか検討を続ける」から変えた。「十分に長い時間引き締めを維持する必要がある」との表現は残した。

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