【ワシントン=共同】米大統領選の民主党候補、ハリス副大統領(59)の陣営は14日、激戦州のヒスパニック(中南米系)の有権者に向けた選挙運動を強化すると発表した。主要な情報入手先のスペイン語系ラジオの広告に巨額を投資する。共和党候補トランプ前大統領(78)は移民への差別的な発言で関連団体の反発を招いており、敵失に乗じて支持拡大を狙う。
ハリス氏陣営は、15日に中南米系の米国人の貢献をたたえる記念月間が始まるのに合わせ「歴史的な活動を始める」と強調。スペイン語系ラジオの広告に1カ月間で過去最大の300万ドル(約4億2千万円)を投じるほか、ハリス氏が18日のヒスパニック系議員団体の年次会議で演説。陣営関係者がメキシコ独立記念日など各種イベントに出席することも計画する。
調査機関ピュー・リサーチ・センターが9日発表した調査によると、中南米系の57%がハリス氏を支持し、39%のトランプ氏をリード。だが2020年の前回大統領選でバイデン氏(81)が支持を獲得した65%より低く、さらなる取り組みが必要とされる。ハリス氏陣営は今後「いかに中南米系有権者の票が重要かを訴えていく」と話した。
トランプ氏はハリス氏と初めて直接対決した10日の討論会で、中西部オハイオ州スプリングフィールドで不法移民が犬や猫など住民のペットを食べていると根拠のない主張を展開。13日には、大統領に返り咲けばスプリングフィールドの不法移民の大規模な強制送還を実施すると表明した。
米メディアによると、米国最大のヒスパニック組織「ラテンアメリカ系市民連盟」は「移民コミュニティー、特にラテン系を不当に標的にし、恐怖と分裂を助長している」と非難している。
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