【NQNニューヨーク=川上純平】25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比375ドル12セント安の3万8085ドル80セント(速報値)で終えた。同日発表の2024年1〜3月期の米実質国内総生産(GDP)速報値が投資家のインフレ懸念を強める内容となった。四半期決算を発表した銘柄の一部が大幅安となったのも投資家心理を冷やし、ダウ平均の下げ幅は一時700ドルを超えた。

GDPは前期比年率で1.6%増と、ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(2.4%増)を下回った。同時に発表した1〜3月期の個人消費支出(PCE)物価指数は食品とエネルギーを除くコア指数の伸びが前期比年率で3.7%と、23年10〜12月期(2.0%)を上回った。

市場では物価指標の上振れを受け「インフレが再加速した」(PNCフィナンシャル・サービシズ)との指摘があった。米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を引き下げる時期が後にずれ、年内の利下げ幅が市場の想定よりも縮まるとの見方が広がった。米長期金利は25日に一時4.73%と昨年11月以来の高水準を付けた。金利と比べた株式の相対的な割高感が意識されたのも相場の重荷だった。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、メタプラットフォームズは前日比11%下落した。24日夕に発表した決算と同時に示した業績見通しが市場予想を下回った。売りは他のハイテク株にも及び、マイクロソフトやアマゾン・ドット・コムが下げた。ダウ平均の構成銘柄では、決算発表が嫌気されたIBMとキャタピラーがいずれも大幅に下落した。

もっとも、ダウ平均は売り一巡後に下げ渋った。26日には3月のPCE物価指数が発表される。「市場予想に近い内容になれば過度なインフレ懸念が後退する」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との声があり、先回りした買いが入ったようだ。25日夕にはマイクロソフトやアルファベットなどが決算発表を控えており、内容を見極めようと一方的な売りが手控えられた面もある。

ダウ平均の構成銘柄では、ダウやウォルト・ディズニー、アムジェンが下げた。半面、メルクとインテルが上昇した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前日比100.989ポイント安の1万5611.760(速報値)で終えた。

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