米キャタピラーは3年ぶりの減収に陥った=ロイター

【ニューヨーク=西邨紘子】米建機大手キャタピラーが25日発表した2024年1~3月期の決算は、売上高が前年同期比0.4%減の157億9900万ドル(約2兆4600億円)だった。米国外地域の建機販売の落ち込みが重荷となった。売上高が前年同期を下回るのは2020年10~12月期以来、約3年ぶり。

主力市場の北米の売上高は前年同期8%増収だったが、欧州・中東・アフリカ地域では17%減収、アジア太平洋では5%減収と落ち込み、全体を押し下げた。事業別では鉱山機械が7%減収、建機が同5%減収だった。エネルギー・交通産業向け機械は同7%増だった。

建機の需要は「景気の先行指標」として知られ、受注動向が注目されている。24年1~3月期の受注残は前年同期比で25億ドル減となり、需要の弱さを示した。

業績の先行き懸念から、この日の米株式市場でキャタピラー株は急落。前日終値比の下げ幅は一時、9%に達した。

純利益は前年同期比47%増の28億5600万ドルだった。値上げを進めて販売の落ち込みを吸収。事業売却による収入も利幅を押し上げた。

特殊要因調整後の営業利益は同5%増だった。特殊要因調整後の1株利益は5.75ドルで、前年同期の3.74ドルと市場の予想(5.14ドル程度)を上回った。

キャタピラーは24年の業績先行きについて、4~6月期の売上高も前年同期比を下回ると予想している。ただ、販売価格引き上げなどにより、調整後の営業利益は前年同期の水準を維持できると見る。

ジム・アンプレビー最高経営責任者(CEO)は決算説明会で投資家に対し、中国や欧州では建機需要の回復の遅れを予想した。一方「最重要市場の北米では需要が健全だ」と指摘し、業績下支え効果に期待を見せた。

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