【NQNニューヨーク=矢内純一】11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落して始まり、午前9時35分現在は前日比378ドル07セント安の4万0358ドル89セントで推移している。朝発表の8月の米消費者物価指数(CPI)で、エネルギーと食品を除くコア指数の前月比上昇率が市場予想を上回った。米連邦準備理事会(FRB)による大幅利下げ観測が後退し、投資家心理の重荷となっている。ダウ平均の下げ幅は一時700ドルに達した。
8月の米CPIは前月比で0.2%上昇し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想に一致した。コア指数は0.3%上昇と、市場予想(0.2%)を上回った。コア指数の前年同月比の上昇率は、3.2%と7月や市場予想と同じだった。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBが利下げを決める公算が大きいなか、「0.5%ではなく、0.25%から始めることになりそうだ」(LPLファイナンシャルのクインシー・クロスビー氏)との見方があった。
10日夜開催の米大統領選の候補者討論会では、民主党候補のハリス副大統領が共和党候補のトランプ前大統領に対して優位に進めたとの指摘が多い。ただ、これまでの世論調査では両者の支持率が拮抗している。大統領選を巡る不透明感は引き続き根強く、株式を積極的に買う材料になりにくい。
ダウ平均の構成銘柄では、ユナイテッドヘルス・グループやアムジェンなどのディフェンシブ株が安い。ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェースといった金融株も下げている。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は高く始まった後、下落に転じている。
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