【エルサレム=共同】パレスチナ自治区ガザの停戦交渉を巡り、イスラエル政府で人質問題を担当するガル・ヒルシュ氏は、イスラム組織ハマスに対し、拘束する人質の解放などと引き換えに、最高指導者シンワール氏の安全なガザ脱出を提案したと述べた。米ブルームバーグ通信が10日、インタビューを報道、停滞する交渉を進展させる努力の一環だと説明した。
ヒルシュ氏はハマス側の反応について回答を拒否した。ハマス側が提案を受け入れるかどうかは不明。インタビューは10日に実施され、同氏は1日半前に提案したと語った。人質解放に加えて、ガザ統治の放棄も求めたとしている。
シンワール氏は昨年10月のイスラエル奇襲攻撃を首謀した一人とされる。ガザ内の地下トンネルに潜伏しているとみられ、イスラエル軍が行方を追っている。前最高指導者のハニヤ氏は7月末、訪問先のイランで暗殺された。イスラエルは関与を認めていないが、ハマスはイスラエルの仕業だと断定している。
ガザでは11日、北部で子どもへのポリオワクチンの予防接種が続いた。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は対象とする10歳未満の約64万人のうち約8割が接種を受けたと明らかにした。国連などは感染拡大を防ぐため9割の接種率を目指している。
パレスチナ通信によると、イスラエル軍は11日、南部ハンユニスで住宅を空爆、13人が死亡した。ガザ保健当局によると、戦闘開始後のガザ側の死者は4万1千人以上。
軍は11日、ヨルダン川西岸も攻撃し、トゥバスへの空爆で5人が死亡した。パレスチナ通信は、軍がトルカレムの難民キャンプを包囲したと伝えた。軍は西岸への攻勢も強めており、緊張が高まっている。
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