イスラエル軍は10日、ガザ地区南部のハンユニスで、イスラエルがみずから「人道エリア」として住民の退避先に指定した地域に空爆を行ったと発表しました。
2023年10月の奇襲攻撃に直接関わったイスラム組織ハマスの幹部らを殺害したと主張し、事前に住民の被害を軽減する多数の措置をとったなどとしています。
ガザ地区の保健当局はこの空爆で少なくとも19人が死亡し60人以上がけがをしたと発表し「イスラエル軍による恐ろしい虐殺だ」と強く非難しています。
NHKガザ事務所がハンユニスにある病院で撮影した映像では、けがをした人たちが次々と病院に運び込まれる様子や死亡した子どもを前に悲しみに暮れる人々の姿が写っています。
国連で中東和平を担当するウェネスランド特使はイスラエル軍の攻撃を非難するとともに「民間人の殺害をやめ、この恐ろしい戦争は終わりにしなければいけない」とする声明を出しました。
また、イギリスのラミー外相もアメリカのブリンケン国務長官との会見で「ハンユニスでの衝撃的な住民の死により、停戦の必要性は格段に高まっている」と述べ、一刻も早い停戦の実現を訴えました。
国際社会からの停戦を求める声が強まる一方で、イスラエルとハマスの停戦と人質解放に向けた協議は難航していて、進展の兆しは見えないままです。
国連 グテーレス事務総長 今回の空爆を非難
国連のグテーレス事務総長は、報道官を通じて、「イスラエル軍が住民の避難先に指定した地域を空爆したことを強く非難する。人口密集地での重火器の使用は容認できない」とコメントし、今回の空爆を非難するとともに、一刻も早い停戦を改めて呼びかけました。
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