【NQNニューヨーク=川上純平】9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前週末比484ドル18セント高の4万0829ドル59セント(速報値)で終えた。前週末にかけて大幅に下げた後で、主力株を中心に見直し買いが入った。ダウ平均の上げ幅は650ドルに達する場面があった。

米景気の先行き不安を背景にダウ平均は先週に1217ドル下落した。週間の下げ幅は2023年3月以来の大きさで、9日は短期的に下げすぎとみた買いが優勢となった。6日発表の8月の米雇用統計は雇用者数の伸びが市場予想を下回った一方で失業率が改善するなど強弱の入り交じった内容だった。「雇用の状況はまだそれほど悪くない」(マーフィー・アンド・シルヴェスト・ウェルス・マネジメントのポール・ノルティ氏)との見方も根強く、投資家心理の悪化に歯止めがかかった。

米連邦準備理事会(FRB)は17〜18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決める公算が大きい。利下げ幅の予想は0.25%と0.5%で割れているものの、金融緩和が景気を支えるとの観測は株買いにつながった。

個別ではボーイングの上昇が目立った。労働組合との間で新しい労働協約に暫定合意したと8日に発表し、買い安心感が広がった。ベライゾン・コミュニケーションズやトラベラーズも買われた。9日午後に新型スマートフォン「iPhone16」を発表したアップルは小幅高で終えた。半面、メルクやナイキが下げた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前週末比193.771ポイント高の1万6884.603(速報値)で終えた。

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