ベライゾン・コミュニケーションズは、フロンティアの買収を発表した

【ニューヨーク=清水石珠実】米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズは5日、同業のフロンティア・コミュニケーションズ・ペアレントを買収すると発表した。フロンティアの企業価値は負債も含めて200億ドル(約2.8兆円)とした。携帯通信事業の成長が鈍化していることを受けて、買収を通じてブロードバンド通信分野を強化する。

フロンティアの株主や規制当局の承認を経て、2026年前半までの買収手続き完了を目指す。1株あたり38.5ドルで買い取る。過去90日間の平均株価から4割のプレミアムという。ベライゾンは、買収を通じた事業の効率化で、少なくとも年間5億ドルのコスト削減効果を見込む。

フロンティアは負債がかさみ、20年に日本の民事再生法にあたる米連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請した。21年には経営再建の手続きを終え、その後は光ファイバーの投資に特化してきた。全米25州に220万人の契約者を持つ。現在、ベライゾンの光ファイバー網は9州と首都ワシントンに限られ、フロンティアを買収することでサービス提供エリアを拡大することができる。

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