岸田文雄首相は6日午前に韓国に向けて日本を出発し、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領との首脳会談に臨む。2025年の日韓国交正常化60周年に向けて、自らの退任後も協力関係を強固にすると確認する。首相と尹氏のもとで良好になった日韓関係の継続を重視する。
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6日午後に日韓首脳会談、同日夜に夕食会に参加する予定だ。7日には日韓の学生との懇談にも出席するという。
首相は退任後もシャトル外交を着実に進めていく考えを伝えるとみられる。韓国の朴喆熙(パク・チョルヒ)新駐日大使と5日に面会した際に、韓国訪問について「協力・交流の拡大の流れを両国の国民に利益をもたらす形で堅固なものとすべく尹大統領と議論したい」と述べた。
両首脳は核・ミサイル開発を進める北朝鮮への対応や国際情勢、安全保障協力などを議論する見通しだ。安全保障の連携強化が両国の距離を縮めている。
第三国での有事に備え、自国民の退避に関する協力を確認する予定だ。チャーター機や車両の相互利用などを念頭に緊密に意思疎通する。
林芳正官房長官は3日の記者会見で「来年の国交正常化60周年を見据えた2国間関係のさらなる進展などについて議論する重要な機会となる」と述べた。
首相が尹氏と対面で会談するのは12回目になる。今年5月には日中韓3カ国のサミットに出席するためにソウルを訪れた。今回は相互に訪問し合うシャトル外交の一環で、今年は初めての開催になる。
日韓は23年3月、11年以来途絶えていたシャトル外交の再開で合意した。首相がシャトル外交として韓国を訪れるのは23年5月以来になる。
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