WHO=世界保健機関は戦闘が続くガザ地区で感染拡大が懸念されるポリオのワクチン接種のため、9月1日からイスラエルとイスラム組織ハマスの双方が地域を限定して戦闘を一時休止することを約束したと発表しています。

ワクチン接種はガザ地区の中部、南部、そして北部の順番で少なくとも3日間ずつ行われる予定だということです。

このうち1日から始まる予定のガザ地区中部では10歳未満の子ども15万人あまりが対象となり、各地の診療所や巡回方式での接種に向けて国連機関などが現地で準備を進めています。

一方で、ガザ地区では31日も各地でイスラエル軍の攻撃が行われていて、パレスチナの地元メディアは中部ヌセイラトでは17人が死亡したと伝えています。

WHOのテドロス事務局長はワクチン接種を前に30日の会見で、イスラエル、ハマス双方に確実に戦闘を一時休止するよう求めていますが、対象地域の安全が確保され多くの子どもたちに接種を行うことができるかが焦点です。

ガザの国連機関職員 “ワクチン接種のため確実な戦闘休止を”

ガザ地区中部で支援にあたるUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関の清田明宏保健局長は、日本メディアのオンラインインタビューに応じ、中部での接種に向けてUNRWAの職員を中心に500以上のチームによる大規模な接種の準備が進んでいると明らかにしました。

そして「国際的な協調のもとで始まったワクチン接種なので、戦闘行為がきちんと止まることを期待している」と述べて、接種を受ける住民や作業にあたるスタッフの安全が確保されるべきだと訴えました。

さらに「予防接種が実施できることが証明できれば人々の命のためには停戦ができるのだという例になる」と述べて、ワクチン接種にともなう戦闘の一時休止を完全な停戦につなげてほしいと話していました。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。