【NQNニューヨーク=稲場三奈】30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比228ドル03セント高の4万1563ドル08セント(速報値)で終え、連日で最高値を更新した。米経済が底堅さを保つなか、米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げを始めるとの見方が引き続き投資家心理の支えとなった。

朝発表の7月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前月比で0.2%上昇し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想に一致した。食品とエネルギーを除くコア指数も市場予想と同じ0.2%上昇だった。コア指数の前年同月比の上昇率は2.6%と市場予想(2.7%)をやや下回った。FRBが9月会合から段階的な利下げを開始するとの見方を支える内容だった。

市場では、「FRBがゆっくりと段階的に利下げを進めていくとの見方が広がった」(インタラクティブ・ブローカーズのホセ・トーレス氏)との声が聞かれた。利下げが経済を支えるという先行きへの楽観的な見方も株式相場を支えた。売り方の買い戻しも入り、大引けにかけて上げ幅を広げた。

ダウ平均は最高値の更新が続いており、主力銘柄の一部には利益確定の売りも出た。9月2日がレーバーデーの祝日で休場となる。3連休を前に持ち高調整の売りも出て、ダウ平均が下落に転じる場面もあった。

個別では、インテルが10%近く上昇する場面があった。経営不振が続く中で半導体の受託生産(ファウンドリー)事業の分離や増産計画の見直しなどのリストラ策を検討していると伝わり、買いを誘った。アマゾン・ドット・コムやウォルマート、アムジェンなども上昇した。半面、セールスフォースやアップル、ナイキは売られた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発し、前日比197.193ポイント高の1万7713.624(速報値)で終えた。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。