ウクライナ軍参謀本部は29日、ロシア軍によるミサイル攻撃の迎撃にあたっていたF16戦闘機が墜落しパイロットが死亡したと発表し、これを受けてウクライナ国防省は特別調査委員会を設置し原因を調べています。
墜落した原因についてアメリカメディア「ボイス・オブ・アメリカ」のウクライナ語版は、ウクライナ空軍の関係者の話として、軍が運用する防空ミサイルの誤射や技術的なトラブル、それにパイロットの操縦ミスなど、さまざまな可能性を視野に調査が進められていると伝えています。
一方アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、数に限りのあるF16とパイロットの損失は、ウクライナ側にとって防空システム網の運用や空から地上部隊への支援の面で深刻な影響を与えると指摘しています。
欧米メディアによりますと、ウクライナに欧米から供与されたF16は6機から10機ほどにとどまりますが、これまでロシア軍による無人機やミサイル攻撃への探知や排除にあたり、ウクライナ軍の防空能力の向上につながると専門家の間で指摘されていました。
市民「とても残念 起こらないことを願う」
ウクライナ軍のF16戦闘機がロシア軍との戦闘中に墜落したことについて、首都キーウの市民は、亡くなったパイロットを惜しむとともに再発を防いで戦況への影響を最小限にしてほしいと願っていました。
このうちキーウ市内でカフェを経営する女性は「大きな悲劇だ。とてもとても残念に思う」と話しウクライナにとって大きな損失だとしています。
その上で「なにが起きたのかわれわれが理解できるように、今後なんらかの説明がされるのではないか」と話し、ウクライナ軍が進めている調査の結果を待ちたいとしています。
また、キーウ市内で働く男性は「パイロットの命が奪われたことが残念だ」と述べ、ロシア軍の攻撃からウクライナを守ってくれたパイロットに哀悼の意を示していました。
そして「F16は敵と戦うためにきちんと活用され、このような大惨事がもう起こらないことを願っている」と話し、再発を防いで戦況への影響を最小限にしてほしいと願っていました。
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