【NQNニューヨーク=横内理恵】29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発した。前日比243ドル63セント(0.59%)高の4万1335ドル05セントで終え、2日ぶりに最高値を更新した。米経済が底堅さを保っているとの見方から景気敏感株が上昇し、ダウ平均を支えた。足元で売られていたハイテク株の一角にも見直し買いが入った。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、エヌビディアが6%あまり下げた。前日夕に発表した2024年5〜7月期決算や8〜10月期の売上高見通しは市場予想を上回った。ただ、業績期待で株価が上昇していたこともあって決算を受けて売りに押された。半導体株などの一部にはエヌビディアに連れ安する銘柄があった。

一方、エヌビディアの決算説明会での幹部コメントなどからは企業が依然として人工知能(AI)の開発や活用に積極的で、顧客のAI投資の収益化が早いことなども分かった。エヌビディア以外の半導体株やハイテク株を物色する動きもみられた。

朝発表の24年4〜6月期の米実質国内総生産(GDP)改定値が前期比年率3.0%増と速報値(2.8%増)から上方修正された。週間の米新規失業保険申請件数は前の週から小幅に減り、市場予想とほぼ一致した。米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げを始めるとみられるなか、米経済がソフトランディング(軟着陸)できるとの期待につながった。消費や金融、資本財関連株が買われた。

ダウ平均は一時480ドルあまり上昇した後、伸び悩んで終えた。午後にエヌビディアが下げ幅を広げたことが重荷となった。最高値圏で主力株の一部には利益確定や持ち高調整の売りも出た。

ダウ平均ではAI分野でのIBMとの提携を発表したインテルが高い。ビザやゴールドマン・サックスも上げた。アップルやアマゾン・ドット・コム、マイクロソフトなども上昇した。一方、ベライゾン・コミュニケーションズやホーム・デポが安い。前日夕に決算とあわせて最高財務責任者(CFO)の退任を発表したセールスフォースも下げて終えた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落した。前日比39.596ポイント(0.22%)安の1万7516.431で終えた。エヌビディアの下げが指数の重荷となった。一方、28日夕に四半期決算を発表したサイバーセキュリティーのクラウドストライク・ホールディングスが高かった。

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