ロシアではウクライナによる石油関連施設の攻撃が続いている(バシルコトスタン共和国で消火活動にあたる消防隊員)=ロイター(ロシア非常事態省提供)

【モスクワ=共同】ロシア連邦統計局は28日に発表した1〜7月の工業生産動態の報告で、石油製品生産に関する統計の公表を停止した。ロシア西部や南部などでウクライナ軍の無人機による石油貯蔵施設への攻撃が相次いでおり、生産量が低下し公表を避けた可能性がある。

連邦統計局は停止した理由を「ロシア政府の決定だ」とした。ロシアメディアによると、エネルギー省は「燃料生産に関する統計は人為的な騒ぎをつくるために利用されることがあり、国内市場に悪影響を及ぼす」と説明した。

非公開としたのは、ディーゼル燃料や暖房用重油、液化石油ガス(LPG)などの月別生産統計。連邦統計局は5月末にガソリンの生産統計の発表も停止した。

英BBC放送によると、ウクライナ軍は今年に入り、ロシア国内やロシアが実効支配するウクライナの地域にある石油精製施設などを少なくとも64回攻撃。タス通信によると、今年1〜5月のガソリン生産量は前年同期比で約29%低下した。8月末段階のガソリン価格は1月初めよりも6%以上上昇している。

ロシア南部ロストフ州の石油貯蔵施設には28日、ウクライナ軍の無人機攻撃があり火災が発生。同州では18日にも別の燃料施設に攻撃があり大規模な火災が発生、鎮圧まで数日を要し、消防士40人以上が負傷した。

ロシア中部キーロフ州の知事は28日、同州の貯蔵施設に無人機攻撃があったと明らかにした。燃料への引火はなかった。現場はウクライナから千キロ以上離れている。ウクライナメディアによると、ウクライナ国防省当局者は攻撃を認めた。

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