NTTと台湾通信大手の中華電信は29日、日本と台湾の間で次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」を使った通信網を開通したと発表した。IOWNの国際通信網は初めて。専用ルーターを使うことで光信号による通信を実現し、光信号と電気信号を併用する従来の光回線に比べて遅延を抑えた。データの遠隔バックアップサービスなどでの活用を想定する。
東京都武蔵野市にあるNTTの研究施設と、約3000キロメートル離れた中華電信のデータセンターを約17ミリ秒の時間差でデータ通信できることを確認した。現状の光回線では200ミリ〜500ミリ秒ほどかかっていた。
NTTは2019年にIOWN構想を打ち出した。データを光信号のまま伝送する仕組みだ。従来はルーターで伝送先の経路を設定する際に光信号から電気信号に変換する必要があり、遅延が生じたり消費電力が増えたりする原因になっている。
NTTは2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の自社パビリオンで、今回のIOWN回線を活用する計画も併せて発表した。
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