【モスクワ=共同】国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は27日、ウクライナ軍が越境攻撃を続けるロシア西部クルスク州のクルチャトフにあるクルスク原発を視察した。グロッシ氏は視察後「ここでは核事故の危険性が生じている」と記者団に語り、強い懸念を示した。
グロッシ氏は「原発はほぼ通常通りに稼働している」と表明。一方で無人機攻撃の痕跡を目撃したと語り「原発に外部から強い衝撃があれば、その結果は極めて深刻なものになる」と警告した。
ロシア側の発表によると、ウクライナ軍は今月22日未明にかけて無人機でクルスク原発を攻撃。無人機は撃墜されたが、残骸が使用済み核燃料貯蔵施設の近くで見つかり、「核テロ攻撃だ」と非難してIAEAに通報していた。
ロシア軍が26日にウクライナ軍を撃退したと発表した3集落からクルスク原発までは約40〜60キロ離れている。
グロッシ氏はクルスク原発視察後にウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談。その後、再びロシアを訪れる予定という。
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